永い冬眠から目覚める感覚が、オープン戦にはある。
わたしは2月のキャンプ中はまだ布団から出ないし、3月も中旬までは目を開くことすらしない。枕元の、充電ケーブルを差しっぱなしのスマホに手を伸ばし、日付を確認するのはだいたい20日を過ぎたあたりである。開幕が明日に迫るくらいになって、ようやくオープン戦の順位表をみた。下から2つ目にベイスターズの名前があった。
歯を磨いているうちにシーズンが開幕した。結果は3連敗であった。阪神主催のゲームなのにドームなのはなぜ? くらいの一瞬の出来事であった。ここはどこ? 調べると阪神はいつも甲子園球場を高校球児に譲っているらしかったが、ベイスターズに勝ちを譲ってくれることはなかった。ベイスターズもわたしもまだ反解凍の状態なのだと思った。
ふと、うちのマスコットのDBスターマンくんのことを思い出した。ハムスターは一度冬眠してしまうと永久に目覚めないことがあるらしいが、スターマンは無事に冬を越せたのだろうか。球場であの狂おしく愛らしいまるいフォルムを見るまでは、心穏やかではない。
ちなみに、ベイスターズは今年、ベイパンチなる新しい打楽器を最先端の技術をもって開発することに成功した。それを柏手のようにスタンドで打ち鳴らすと、打線は活気づき、ストレートは冴え渡り、変化球はキレを増すそうである。これは鳴らさない手はない。わたしも早くハマスタに行きたい。
今年も横浜DeNAベイスターズを全力で応援いたします。
融解。